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ep36 到着

作者: 根上真気
last update 公開日: 2026-04-03 17:02:17

  【3】

都市部でも自然豊かな地域にグレイシャ家の屋敷はあった。コハクにとってはこの国〔テルストリア〕の初めての都市部。浮き立つ気持ちを抑えつつ、駅を降りるなり馬車を走らせ辿り着いた。

「何だか気を遣わせて旅を急がせてしまったな。疲れただろう」

屋敷の門前でクローが振り向いた。確かにここまで寝食の時間以外はひたすら移動してきたので、疲れていないと言ったら嘘になる。しかしコハクは穏やかに微笑んだ。

「弟さんに会えるの、ボクも楽しみだよ」

「そうか」

クローも微笑んだように見えたが、突然なにかを閃いたように「あっ」となった。

「どうしたの?」コハクはきょとんとする。

「いや、その......」

「?」

「コハクのことを、どう説明したら良いかと思ってな」

クローは頬をポリポリと掻いて、悩んでいる素振りを見せる。コハクには何だかその様子が可愛く思えた。クールな公爵の人間的な一面を垣間見たような気がした。

「もしよろしければ私から事情をご説明申し上げましょうか?」

生真面目すぎる侍女メアリーが急に名乗りを上げたが、コハクもクローも丁重にお断り申し上げた。

「クローさま! おかえりなさいま
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